分け合えば豊かに暮らせる時代、必要最小限のものだけでシンプルに生きるヒント「シェアリングエコノミー」

あらゆるものはこれまでの消費や所有ではなく、シェアして利用する時代。

ものやサービスを必要な人が必要な時にシェアして利用できる、シェアリングエコノミーが浸透してきた。

「シェアリングエコノミーがもたらす、新たなライフスタイル」のまとめ。

シェアリングエコノミー

【シェアリングエコノミー】

乗り物、住居、家具、服など、個人所有の資産等を他人に貸し出しをする、あるいは、貸し出しを仲介するサービスを指す。近年、欲しいものを購入するのではなく、必要なときに借りればよい、他人と共有すればよいという考えを持つ人やニーズが増えており、そのような人々と、所有物を提供したい人々を引き合わせるインターネット上のサービスが注目を集めている。

コトバンク

今までものやサービスは売り買いというやり取りが当たり前であった。

以前のようなマイホームを所有し高級車に乗り、ラグジュアリーブランド品を身につけることがステータスだった時代に比べ、すでに便利で豊かなもので溢れかえっている現代ではものに対する価値観も変わり所有欲は薄れ、消費に興味がない人が増えた。

それどころか所有にはお金もかかるので、無駄なものは所有したくないという考えも広がっている。

現代社会にはものが溢れ過ぎている。

世の中にはものやサービスを求めている人と、逆に持て余している人が存在する。

そんな両者をつないで、ものやサービスを共有する仕組みがシェアリングエコノミー。

「シェアリングエコノミー[Sharing Economy]」は訳すと「共有経済」

スマートフォンの普及も後押しして、シェアリングエコノミーサービスは、求めている人と持て余している人をつなぎ大きく躍進。

部屋、車、自転車、家具、家電など、なるべくものを所有せずに必要な時にだけシェアして済ませるのが今では当たり前になりつつある。

シェアリングエコノミー領域

シェアリングエコノミーは大きく分けると「空間」「移動」「もの」「スキル」「お金」の5つの領域に分類される。

シェアリングエコノミー5つの領域

「空間」「移動」「もの」「スキル」「お金」

シェアリングエコノミー領域「空間」

シェアリングエコノミー領域。

「空間」

「空間」のシェア

「ホームシェア」「駐車場」「会議室」など

「空間」のシェアリングサービスには空いている土地を利用した駐車場シェア、空き家や空き部屋を空いている時だけシェアするホームシェアなどがある。

「Airbnb[エアビーアンドビー]」は世界中で住宅や部屋などの空間を借りることが可能な人気のシェアリングサービス。面白い物件も多数ありホテルでは味わえない体験ができるのも魅力のひとつ。

イベント会場や会議室などの大きな空間、コワーキングスペースや空いている時間の店舗などのシェアも広がっている。

空いた農地、畑のシェアリングサービスも人気。野菜のタネや苗の用意や農具レンタルも充実で、手ぶらで野菜づくりを楽しめるところもあるようだ。

シェアリングエコノミー領域「移動」

シェアリングエコノミー領域。

「移動」

「移動」のシェア

「カーシェア」「シェアサイクル」「ライドシェア」など

「移動」のシェアリングサービスには乗り物のシェアと交通手段のシェアがある。

乗り物のシェアはカーシェアやシェアサイクルなどのように乗り物を貸し借りするシェアリングサービス。

車の所有には多くの維持費がかかるが、カーシェアを利用すればそのコスト面の難点をクリア。

レンタカーと違い、アプリなどでより気軽に利用できるのがポイント。

車、バイク、自転車の他、キックスクーターやクルーザー、プライベートジェットなど面白い乗り物もシェア可能。

交通手段のシェアはライドシェアと呼ばれ、簡単に言うと相乗りサービス。

ドライバーの行き先と利用者の行き先がマッチングすれば相乗りするシェアリングサービス。

ライドシェアで代表的なのは「Uber[ウーバー]」だが、日本では法律で白タクとなるため利用不可。

シェアリングエコノミー領域「もの」

シェアリングエコノミー領域。

「もの」

「もの」のシェア

「レンタル」「フリマ」など

「もの」のシェアリングサービスには必要な時にだけものをレンタルできるサービスや物々交換ができるサービスと、個人間でものを売買するフリマアプリやオークションサイトなどある。

レンタルサービスを有効利用すれば、使用頻度の少ないものを所有しなくて済み、無駄なコストも抑えられる。

不要になったものでもフリマサービスで必要な人に売り、新しいものにアップデートが可能。

シェアリングエコノミー領域「スキル」

シェアリングエコノミー領域。

「スキル」

スキルシェア

「家事」「介護」「育児」「知識」「料理」「教育」「観光」など

「スキル」のシェアリングサービスはWebやロゴ、イラスト制作など専門性の高いスキルや家事、介護、育児、料理など日常的なスキルのシェアリングサービス。

空いた時間に自分のスキルを活かし仕事を受注して稼ぐことのできるクラウドソーシングサービスは副業のひとつとして注目が集まっている。

家事、介護、育児、料理などの日常的スキルも求めている人は多いようだ。

自分の空いた時間で気軽始められるスキルのシェアリングサービスはパートやアルバイトに代わる働き方にもなりつつある。

シェアリングエコノミー領域「お金」

シェアリングエコノミー領域。

「お金」

お金シェア

「クラウドファンディング」など

「お金」のシェアリングサービスはネット上で個人や企業がお金の貸し借りをできるシェアリングサービス。

商品開発や活動に資金を提供しリターンを受け取る、クラウドファンディングもお金のシェアリングのひとつ。

シェアして豊かなシンプルライフ

世の中に溢れているものは本当に自分に必要なものなのか。

近年、震災や自然災害、世界的な経済危機などの厳しい時代背景を経て、ライフスタイルやものに対する考え方、価値観は大きく変わってきた。

ものは所有からシェアする時代へ変化。

求めている人と持て余している人をつなぐシェアリングエコノミーサービス。

さまざまなシェアリングエコノミーサービスを今までの常識にとらわれず柔軟に取り入れ上手に利用することで、必要最小限のものだけでシンプルに豊かに生きることが可能になるだろう。